ひょうせいれん

2021年7月11日 (日)

神出病院事件神戸市への申入れ――ひょうせいれん

神出病院事件につき神戸市への申入れ書

神戸市健康局保健所保健課 精神保健福祉係様

2021年7月12日
兵庫県精神障害者連絡会
〒661-0025兵庫県尼崎市立花町 共生舎
電話:090-3054-0947
Eメール:gen1951@nifty.com

いつもの精神障害者のために、ご活動いただきありがとうございます。
 神出病院事件につき、神戸市の取り組みに参考となればと思い、私たちの意見をお伝えさせていただきます。

 いま神戸市は、神出病院の前回の虐待事件に対して、「改善命令」を出しています。今年5/20の新たな虐待について、警察の調べを待って、改善命令不履行ということで、処分をするという流れになっていると伺っています。根拠法令は「精神保健福祉法第三八条の七」(注1)と伺っています。
 この取り組みは、厳しく適用するようによろしくお願いいたします。
 その上で、私たちのお願いです。
 いままで、精神科病院での悪質な虐待は繰り返されています。そのなかには、行政によって取り潰されたところもあります。大阪の大和川病院がその例です。
 その時に適用されたのは「精神保健福祉法」ではありませんでした。医療健康保険の適用が外されたことが大きな影響を持ったようです。
 研究者である、杉本章さんの書かれた『増補改訂版〕障害者はどう生きてきたか―戦前・戦後障害者運動史』によれば、大和川病院が潰されたことには、大阪府の認可取り消しがあったようです。(注2)
 この場合の適用法令は「医療法」(注3)になると思われ、処分権者は兵庫県なのかもしれません。政令指定都市にその権限が委譲されるものなのかは、法に詳しくないので分かりません。もし、兵庫県の権限であるならば、県市の連携を図っていただきたいです。
 私たちは、このように考えています。神出病院が存続し続けることだけは我慢がなりません。一日も早く患者が救い出されることを願っています。私たちの意見が神戸市の取り組みの参考になれば幸せです。
 よろしくお願いいたします。

(注1)
精神保健福祉法
(改善命令等)
第三十八条の七 厚生労働大臣又は都道府県知事は、精神科病院に入院中の者の処遇が第三十六条の規定に違反していると認めるとき又は第三十七条第一項の基準に適合していないと認めるときその他精神科病院に入院中の者の処遇が著しく適当でないと認めるときは、当該精神科病院の管理者に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、処遇を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその処遇の改善のために必要な措置を採ることを命ずることができる。
2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、第二十一条第三項の規定により入院している者又は第三十三条第一項、第三項若しくは第四項若しくは第三十三条の七第一項若しくは第二項の規定により入院した者について、その指定する二人以上の指定医に診察させ、各指定医の診察の結果がその入院を継続する必要があることに一致しない場合又はこれらの者の入院がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反して行われた場合には、これらの者が入院している精神科病院の管理者に対し、その者を退院させることを命ずることができる。
3 都道府県知事は、前二項の規定による命令をした場合において、その命令を受けた精神科病院の管理者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
4 厚生労働大臣又は都道府県知事は、精神科病院の管理者が第一項又は第二項の規定による命令に従わないときは、当該精神科病院の管理者に対し、期間を定めて第二十一条第一項、第三十三条第一項、第三項及び第四項並びに第三十三条の七第一項及び第二項の規定による精神障害者の入院に係る医療の提供の全部又は一部を制限することを命ずることができる。
5 都道府県知事は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。

(注2)
 杉本章さんの書かれた『〔増補改訂版〕障害者はどう生きてきたか―戦前・戦後障害者運動史』によれば、大和川病院がつぶれたことについて、次のように記載されています。一部を抜粋します。
「調べが進むにつれて、大和川病院をはじめ安田系三病院の実態が次々と明らかになっていきました。病室は真冬でもほとんど暖房せず、夏は患者が金を出し合って扇風機を買い暑さを凌ぐという有り様でした。病院の実質的な経営者である安田基隆病院長の権力は絶大で、その指示・命令のもとで、投薬の処方や注射の指示も病名ごとのマニュアルにしたがって看護婦に担当医名で書かせたり、無資格のヘルパーが鼻腔栄養チューブの挿入や酸素吸入を行ったりしていました。入院患者が死亡しても医師がいないために看護士が白衣を着て医師を装って脈を取ったり、死亡診断書や処方箋を看護婦が作成することなども日常的に行われていました。病院が提出した資料によっても、三病院合わせて医師・看護婦とも基準の約三分の一しかいませんでした(基準では医師は三一名必要なところを勤務者数は一三名、看護婦は一九四名に対して六〇名)。・・・・・

 事件が発覚してから四年後の九七(平成九)年四月、大阪労働基準局が三病院の強制捜査を行いました。理由は、患者の死亡を理由に職員から「罰金」を徴収したり退職した看護婦に免許証を返さず、賃金を不払いにした労働基準法違反の疑いでした。ついで大阪府警特捜部が安田院長らを詐欺罪で逮捕・起訴し、同年十月には大阪府が医療法人北錦会の設立認可を取り消し、三病院は廃院となりました。」

(注3)
医療法
第六十三条 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該医療法人に対し、その業務若しくは会計の状況に関し報告を求め、又は当該職員に、その事務所に立ち入り、業務若しくは会計の状況を検査させることができる。
2 第六条の八第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
第六十四条 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該医療法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
2 医療法人が前項の命令に従わないときは、都道府県知事は、当該医療法人に対し、期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解任を勧告することができる。
3 都道府県知事は、前項の規定により、業務の停止を命じ、又は役員の解任を勧告するに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
第六十四条の二 都道府県知事は、社会医療法人が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、社会医療法人の認定を取り消し、又は期間を定めて収益業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第四十二条の二第一項各号に掲げる要件を欠くに至つたとき。
二 定款又は寄附行為で定められた業務以外の業務を行つたとき。
三 収益業務から生じた収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の経営に充てないとき。
四 収益業務の継続が、社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院(指定管理者として管理する病院等を含む。)の業務に支障があると認めるとき。
五 不正の手段により第四十二条の二第一項の認定を受けたとき。
六 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により認定を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない

その他のカテゴリー